2015年5月29日金曜日

KiCadでパターン設計 その2



部品配置まで終わったら、自動配線をするのですが現在ネット上のFreeRouterは使えないようなのでここの手順を参考にスタンドアロン版を実行しました。

最初にPcbnewのツールー>FreeRouteのSpecctraDSNファイルのエクスポートを実行

linkの手順の中のダウンロードの方法1に書かれているfreeroutingの汎用版を
https://github.com/freerouting/freerouting/raw/master/binaries/FreeRouting.jar
から取得します。

これを実行するのに必要なJRE8をOracleからダウンロード
http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/jre8-downloads-2133155.html

コマンドラインから
# java -jar FreeRouting.jar

で起動するのでDSNファイルを読み込み自動配線を行います。
結構時間がかかります。
長時間やっても解決しない場合は適当に止めて残りを手で配線したほうが早いです。
で出来上がったものを再度Pcbnewに読み込みます。
配線がどこを通っているのかなどはひと通り確認した方がいいです。
かなりちゃんとひいてくれますが、たまにすぐ近くのピン同士をつなぐのに配線をよけてものすごいところまで迂回しているものがあったりします。

未配線のところや妙に引き回されている配線を押しのけ配線モードをonにしてひいていきます。
押しのけ配線の様子はyoutubeでkicad interactive routerで検索するとでてきます。
押しのけ配線をonにするにはちょっと判りにくいです。
1.Pcbnewの表示メニューでSwitch Canvas to OpenGLでOpenGLモードにする。
2.右側の上から5番目の配線とビアの追加をon
3.描画領域内にカーソルを持って行きEキーを押す、もしくは右クリックメニューの一番下、配線オプションを選択するとインタラクティブ配線設定のメニューが出ます。
モードの押しのけを選択、オプションはビアの押しのけ、余分な配線を削除、自動ネックダウン、セグメントをスムーズに移動をオンにします。
これで配線を引いていくとDRCの設定に従って他の配線が押しのけられていきます。
ヌメヌメと配線が動いていって気持ちいい?です。

そして適当に修正を入れて、シルクを整えたものがこれです。




2015年5月22日金曜日

KiCadでパターン設計 その1

回路図エディタでERCをかけて問題ないことを確認後、NetをPcbnew用に出力、Cvpcbでリファレンスとフットプリントの関連付けを行います。
その後、Pcbnewを開いてパターンを作成していきます。
最初にデザインルールを設定します。
基板は今回もelecrowにお願いするつもりなのでelecrowのルールを設定します。
ただ、via,パターン間のクリアランスはギリギリを狙わずに200umにしておきました。
手付けで部品をつけていく時に150umだとviaがpadと近すぎてハンダでブリッジしやすくなるためです。
次に部品配置とパターン作成の枠になる外形図をEdge.Cutsレイヤーに書きます。
そのあとNetを読み込むと部品が1箇所にまとめて配置されますので展開します。
ちょっと判りにくいのですが、表示モードを通常モードに戻して上のアイコンからフットプリントモードを選択します。(右から4番目のICに矢印が付いているアイコンです)
その状態で何もフットプリントを選択せずに画面上で右クリックすると上から2番めにグローバル移動・配置のあるメニューが出てきます。ブロック選択をしているとブロックのキャンセルとかが上にあるメニューになってしまうので、選択を解除してから右クリックします。
グローバル移動・配置の中の全てのフットプリントを展開を選択して実行するとフットプリントが重ならないように展開されます。
この状態でA面B面の部品の配置を選択してしまいます。
私はDIP部品と大きめの部品、ICは基本的にはA面、SMDのうちCR等の小さめの部品をB面に配置していますが作成する基板の層構成によっても変わるので作る基板に合わせて下さい。
次に部品の位置が決まっているものをその場所に配置していきます。
今回の基板の場合はコネクタとXBeeの位置は決まっているので最初に配置、あとは大物の部品がラッツネットが多いので、ピン数の多い大きな部品からできるだけ素直な信号の流れになる方向、場所を選んで配置していきます。
その後、大物の周辺の部品を大物の近くに素直な信号の流れになるように配置、大物同士の間に適当な隙間を開けながらその他の部品を配置していきます。

2015年5月15日金曜日

KiCadで部品のフットプリント作成

回路図からcvpcbを実行してフットプリントの無いものを拾っていきます。
フットプリントエディタは回路図エディタからでなく、パターンエディタ(Pcbnew)の方で表示->Switch Canvas to OpenGLに切り替えてから使います。
基本的にはこちらの方がサクサク動いて使いやすいのですがPadのpropertyだけは標準モードと同じで開くのに時間がかかります。
ほとんどの部品のフットプリントは標準ライブラリから持ってこれます。
標準部品として存在しているものは大きさ、ピンの配置、ピン番号、ピンのサイズを確認し、コピーしてLocalLibraryに登録していきます。修正が必要な物はコピーした方を修正し名前を変更内容がわかるように付けておきます。
私が直したところはSMD部品のPadが手付けするには厳しそうなところを少しコテをあてやすいように伸ばしたり、DIP部品の孔径が大きすぎるものを修正したりといったところです。
回路図用の部品シンボルは修正すると回路図にすぐ反映されますが、フットプリントはパターンに対しては独立しているので修正した場合は一度部品のフットプリントを削除してから再度Netの読み込みをしてフットプリントを繋ぎ直す必要があります。
なので、パターンを引く前に念入りにフットプリントを確認しておいたほうが手間がかからなくていいです。

2015年5月8日金曜日

KiCadで回路図作成

今回は以前CadlusXで作成したHA-2基板を作り直しHA-3基板を作ります。
FRISKケースに収めたXBee経由で赤外線リモコンやHA端子、弱電の接点コントロールの機器をリモート・コントロールするためのモジュールです。
雷対策とか機能追加などで改修項目が増えてきて作るのが大変になってきたので作りなおすことにしました。
前回、回路図用の部品をひと通り作ったので回路図自体はすぐに書き終わりました。
以前作ったHA-2基板の回路図と改修内容の修正内容がちゃんと盛り込まれているかひと通り確認しました。
HA-2基板で念の為に入れていた抵抗で機能を切り替える部分もFixしているので外して手間を削減するようにしました。
回路図はこんな感じです。


1時間程度で書くことが出来ました。


2015年5月1日金曜日

KiCadで回路図用部品作成

KiCadの場合、EAGLEと違って部品が回路図用のコンポーネントライブラリ(.libファイル)と基板デザイン用のフットプリントライブラリ(モジュールライブラリ、.kicad_modファイル)、両者の対応を記述するCvPcbで生成される関連付けファイル(.cmpファイル)で構成されています。
私はEAGLEのほうが特殊でKiCadの管理の仕方のほうが理にかなっていると思います。
今回もEAGLEの時と同じで、基本的には自分のLocalに使う部品を集めて管理します。
基本的には標準ライブラリに存在しているものは確認してコピーして使用、ないものは自分で作るという方針で自分のライブラリを育てていきます。あとはEAGLEから変換することも出来るようです。
コンポーネントエディタの使い方は詳細な日本語マニュアルがあるので割愛します。
KiCadは日本語の詳細なマニュアルが付属しているので非常に助かります。
自分のライブラリを育てるためには、最初にメニューバーの設定ー>アクティブなライブラリを設定でユーザー定義パスを設定する必要があります。
あとは近い形のものを標準ライブラリから読み込んで編集し名前を付けて保存していきます。
私は試行錯誤で色々EAGLEと同じように部品ごとに回路図用記号を作成してしまい失敗しました。
KiCADの場合は例えば4ピンのコネクタなら1種類回路記号を作って、フットプリントとの結びつきで部品を分けるべきでしたが、種類ごとに同じ形の回路記号を作ってしまいライブラリに無駄な部品が沢山出来てしまっています。
それ以外の注意点は、標準ライブラリと同じ名前の部品を作らないこと、後でわかりやすいグループ分けでライブラリを作ることと、0.1inchのグリッドで端子を付けておく、ピンの番号を確認できるように表示するということぐらいです。